MOTHER HOLLY という絵本に出会いました。未亡人と二人の娘のお話です。
未亡人はみにくい娘と器量よしの娘、なぜかみにくい娘を大事にし、美人の娘につらくあたります。美人の娘には毎日井戸の近くで糸を紡がせ、働かせました。
ある日美人の娘は仕事をし過ぎて、血がでてしまいます。その血が糸を紡ぐ機械に落ち、機械の回転軸(心棒)に血がついてしまいました。心棒を洗おうと井戸に行きますが、思わず心棒を井戸の中に落としてしまいます。
急いで家に帰り母親に説明すると、井戸に落ちた心棒を取ってこない限り帰ってくるなと言われてしまいます。そこで美人の娘は井戸に引き返し、心棒を引き上げようとしますが、どうやっていいのかわかりませんでした。ついに彼女は井戸の中に飛び込み沈んでいってしまいます
気が付くと牧草地にいました。見渡す限りの草原に美しい花がどこまでもどこまでも咲いていました。
という あっと驚く展開ですが、
このあとのストーリーも不思議な世界が続きます。ベイカリーのパンたちが、かまどからだしてくれ!と叫ぶので、少女は取り出してあげました。
リンゴの木がゆらして!というので、少女は気をゆらしリンゴをたくさん落としてあげました。
歯の大きなおばさんと出会い、おばさんの家で働くことになります。まじめに働き、おばさんも少女を大切にしてくれましたが、少女は家に帰りたい気持ちになってきます。
ここにきて、え、あの家に帰れるの? ということはこの少女はまだ生きているの? ここはどこなの?と思いましたが
歯の大きなおばさんが魔法を使ったのかピカっとまぶしい光がひかったあと、少女は母とみにくい娘がいる家に帰れたんですね。金が降ってきたので少女は全身金色まみれになり輝きます。その姿をみた未亡人の母親はみにくい子も同じようにさせたいと思い、井戸の中へ落ちるように仕向けます。しかしみにくい娘はパンもとりださないし、リンゴの木もゆらさない、歯の大きなおばさんの家でもなまけて働きませんでした。帰る時に振ったのは金ではなく黒いすすのようなものでした。全身真っ黒になりました。その姿で家に帰りました。そのあと3人は仲良く暮らしました、とあります。
不思議な気持ちにしてくれる絵本です
私は一瞬美人の娘は死んでしまったのかと思いましたが、最後はハッピーエンドなのでよかったです。悲しい物語はいやです。
物語の中にはいじわるをする人、辛い思いをする人、いつもいますね、「いじわるなお母さん」では小公女セーラを思い出し、このあとでてくる「おばさんの家」では、ヘンゼルとグレーテルを思い出しました。
MOTHER HOLLY 日本語訳があったらもう一度読んでみたいです。